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2008/04/12
Hey Judeと「言論・表現の自由」

執筆者: murata (9:42 pm)
毎週の様にNHKの「探検ロマン世界遺産」を見ているのですが、今日はたまたま巨人戦を見ていて、半分以上見逃してしまいました。(再放送はNHK総合で4月17日午前3時30分からです。)

今回は「奇跡の美 街に宿る不屈の心〜チェコ・プラハ〜」という題で、この街の激動の歴史である「プラハの春」と「ビロード革命」を取り上げている箇所を、運良く見る事ができました。なぜこの事を取り上げるのかと言うと、少しだけJUDEとも縁があるからなのです。


一昨年ウィキペディアに加筆させていただいたのですが、1968年に発表されたビートルズのHey Judeは、チェコの歌手のマルタ・クビショヴァさんにもカバーされていて、おりしも「プラハの春」に沸き立つ民衆を励ます為に「マルタの祈り」と共にレコーディングされていたのです。しかし、マルタさんは「プラハの春」を弾圧した旧ソビエト軍などによって歌手活動を禁止されてしまいました。

「ビロード革命」によって民衆が再び自由を取り戻すまでの20年間、マルタさんのHey Judeは封印されていたというわけです。その間、「言論の自由」や「表現の自由」は失われ、チェコは民衆が相互に監視しあう「密告国家」になってしまいました。

その間、チェコの心ある知識人たちは命がけで「地下出版」をしていたわけです。

この事は決して「遠い昔話」ではありません。まだ沢山の生き証人が居る話なのです。
そして個々人の政治的思想を超えて、こうした自由は、国民の不断の努力によって守られるべきものなのです。思想や芸術だけではなく、技術の世界に生きる我々もまた、この恩恵を受けているのですから。

さて、「ビロード革命」を励ます為にマルタさんのHey Judeは復活し、「ビロード革命」の成功は荒れ果てたプラハの街を復活させました。

そして番組の最後にはマルタさん本人によるHey Judeが披露されたのです。実は私自身、初めてこの歌を聞けて嬉しかったわけでした。


ちなみに、この後の番組「トップセールス」には私が幼い頃(=チェコの暗黒時代でもあります。)の自動車が登場したので、NHKにチャンネルを変えた事は二度嬉しいわけですが、劇中のミヤケモータースの「中古車展示即売会」に往年のスーパーカーであるトヨタ2000GTが置かれていた事については、嬉しいと共に、思わず「そんなわけあるかい!」とツッコミをいれてしまいました。(笑)

ただ、1970年代当時の記録映像にドラマの映像が挿入されていた事は、自分の記憶を改ざんされたみたいな感じがしたし、今ならセクハラとして訴えられかねない「男尊女卑」的な主人公の最初の職場の様子についても、ちょっと不快な気分になりました。

まあ、あくまでもフィクションなので、これも「表現の自由」という事ですね。
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