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2006/06/13
シンドラーのリフト

執筆者: murata (7:25 pm)
このところ、毎日の様に報道されているシンドラー社のエレベーターの欠陥問題だが、不思議な事に、NHKのニュースだけが、原因の候補としてブレーキや電子機器と言ったハードウェアの故障だけではなく、制御用ソフトウェアのバグを挙げている。

NHKだけが異なるニュースソースを持っているのかもしれないが、もしも新品で整備の行き届いたエレベーターでも再現するのならば、製品そのものの欠陥という事になり、当然、制御用の組込ソフトウェアも疑う必要があるだろう。あるいは部品の日常的な消耗だけで、ソフトウェアによる誤った制御が誘発されてしまった可能性もある。

ここからは仮定の話になってしまうが、もしもそうなら、ソフトウェア開発者にとっては恐ろしい話である。エレベーターにしても、ATSにしても、ABSにしても、乗り物の制御は、確かに人の命を直接預かる行為であり、かつ人間が直接行っていない行為だからだ。

もちろん、これらの制御を人間が直接行う事はナンセンスである。起こりうるすべての状況への適切な対処がプログラムされてさえいれば、コンピュータに制御を任せている事は大きな安心につながる。

また、こうした組込ソフトウェアに限らず、ハードウェアの設計上の欠陥や、製造上の欠陥を撲滅する上でも、ソフトウェアの果たす役割は大きい。

しかし、それらのソフトウェアにもバグがないとは言えないのである。耐震強度偽装問題だって、構造計算書を偽装しやすくなっているというソフトウェアの仕様上のバグが一因だと言い換える事ができるわけだ。

そう考えると、背筋が寒くなるし、何よりも他人事ではない。

我らがJUDEだって悪意のある人が使えば、かつてナチスドイツが喧伝した様なとんでもない詭弁をもっともらしくプレゼンテーションする為に使えてしまうわけだし、コンセプトやアイデアは、エレベーターの様に制御する事も、耐震強度の様に計算する事もできないのだから。
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投稿者 スレッド
umeda
投稿日時: 2006-6-14 9:32  更新日時: 2006-6-14 9:32
開発者
登録日: 2006-5-9
居住地:
投稿数: 50
 人命がかかってるソフトってすごいですよね
ABSとかはどれくらいテストしているんでしょうね。
しかも、フェールセーフもものすごく考慮してるんでしょうし、単純にすごいなーと思います。

私の場合はサーキットで多用するんで、故障することを考えると怖いですね。
ブレーキペダル1つでは、当然4輪を別々に制御できないので、結構重要なシステムなんですよねー。
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投稿者 スレッド
murata
投稿日時: 2006-6-14 13:27  更新日時: 2006-6-14 13:27
開発者
登録日: 2006-5-9
居住地: 福井県福井市
投稿数: 48
 空燃比制御もそうですが、ABSやエアバッグの制御はより直接的な話ですからね。
隣の人にレスを返すのも変ですが、NOx規制に対応する為の空燃比制御もコンピュータなしには不可能ですが、これが狂ってもエンジンが逝かれるか動けなくなるかで、直接生死に直結はしないので、「人の命を預かる制御」の代表としては、ABSを挙げました。確かにどんなに優れたドライバーでも、4輪を同時にかつ別々にかつ適切に制御する事はできませんものね。 コンピュータにしかできない→コンピュータに任せると安心→コンピュータでやると尤もらしい→でも過信すると恐ろしい という流れで本文を書いてみましたが、JUDEを使ったアイデアの暴走を防ぐ為には、やっぱり人の力が必要ですね。車の運転をするのが人間である様に。
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