murataさんのエントリ | murataさんのエントリ配信 |
2006/08/22
ガウディの究極のモデリング術?
執筆者: murata (7:37 pm)
|
|
少し前に、NHKの「世界遺産」で、スペインのアントニー・ガウディの建築物群が取り上げられたので、ちょっと書いてみる。 彼の最も有名な建築物は、現在も建築中の「サクラダ・ファミリア贖罪聖堂」である。この聖堂は、プロジェクト前任者が残した、典型的なゴシック様式のきっちりした設計図とは対照的に、有機的なフォルムをイメージしたラフスケッチと、大型の模型に基づいて設計されている。驚くべきことに、全く「設計図」というものをガウディは書いていないのだ。(ちなみに、建築用のCADには「ガウディ」という製品があるが、勿論、ガウディの建築手法とは関係ない。)そういう意味では、「建築物」というよりは、「巨大な彫刻」と言うべき構造物なのである。 多分スペインにも、日本の建築基準法だとか、耐震強度計算だとかと同じ様な基準があるのだろうが、多分「特例」って事になっているのだろう。何せ、一枚も設計図が無いのだから。 それでは、「サクラダ・ファミリア贖罪聖堂」の強度は弱いのか? と聞かれればさにあらず、ガウディは、ヒモとオモリを使った実験器具を用いて、柱や梁が、適正な強度を持ちかつ有機的で美しい形状になるようにデザインして、現場で指揮を取ったのである。 こういうぶっ飛んだ発想で、もっと沢山の建築物が作られたとしたら、世の中はもっと面白いものになるだろうと思う。現に、ガウディの作品の中には、現在はアパートとして使われている邸宅があるのだが、敢えて真四角な部屋が一つもないという変な内装になっている。しかし、当の住人は「むしろ住みやすい」と答えている。 さて、10年前くらいには、「完成まであと100年かかる」と言われていた「サクラダ・ファミリア」であるが、最近の予想では、西暦2026年には完成する見通しである。私自身、自分が生きている内に完成する見通しが立った事を、うれしいと思っている。 是非とも、世界にも、私自身にも、西暦2026年よりも未来の時代を迎えて欲しい。私は定年後には必ずサクラダ・ファミリアにお参りに行こうと思う。 |
このエントリのトラックバックURL
http://astah-users.change-vision.com/ja/modules/weblog/weblog-tb.php?89
投稿者 | スレッド |
---|---|
mohariza | 投稿日時: 2007-1-7 23:28 更新日時: 2007-1-7 23:28 |
<驚くべきことに、全く「設計図」というものをガウディは書いていないのだ。>は、間違いです。 始めまして、ペンネーム moharizaと申します。
ガウディに憧れているのでしたら、私のブログ
moharizaメモ http://mohariza06.exblog.jp/
に来られるか、
(但し、ガウディだけを記してないことをお断りしておきます。)
http://www.gaudiclub.org/を開き、liksを開き、バルセロナの田中裕也氏の
「田中裕也のバルセロナ日記」、「ガウディ研究:田中裕也のバルセロナ便り」等を見られることをお薦めします。
ガウディについての、現在進行の研究及び思考に出会えると思います。
「ガウディ研究:田中裕也のバルセロナ便り」の第六十二回を読まれると、表題の「<驚くべきことに、全く「設計図」というものをガウディは書いていないのだ。>は、間違いです。」についての回答が記され、ガウディは設計図は画いてはいるが、それよりも、模型及び現場監理を重視して建物を創っていたことが分かると思います。
|
|
|